将棋の対局観戦は素人でも楽しめるようになった。
ある程度将棋が指せるようになっても、プロの将棋は観ていてよくわからないゲームである。
これは、スポーツの様にわかり易くないという意味である。
指し手の一手一手にはもちろん意味がある。
しかし、その一手は将棋についてのかなりの知識がある人じゃないと理解出来ない。
なので、唯一、毎週日曜テレビ放送をしているNHK杯を観ている時には解説者がとても重要になる。
正直、多少将棋が指せるくらいではプロの一手の意味はよくわからない。
プロの手が解説なしで理解できれば、かなりの腕だ(子供ならプロになれるかもしれない)。
よって解説者に解説をしてもらわないと理解できないのだが、正直、解説者の質はバラバラである。
将棋の解説は(イメージ通り)饒舌な人がやっている訳ではなく、対局している棋士の師匠が解説したりすることもよくある。
思い出話をするにはいいかもしれないが、将棋の解説はあんまりということもある。
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今はニコニコ動画などで将棋の対局を放送しているが、こちらの方は評価値というものがでる。
これによって圧倒的にわかりやすくなった。
簡単に言うとあなたの一手は「何点です」とコンピューターが点数をつける。
この点数、おもしろいのが初期の頃は評価値に対して棋士が上から目線であった。
コンピューターが表示した点数に対して「そうですか?私はそうは思いませんね」と。
しかし、最近はコンピューターの方が強いことがわかってしまったので、
「私の感覚ではよくわからないけど、コンピューターは良い評価してますね。そうなんですね。」と、きっといい手なんだけど、私はまだ理解できていませんという感じになってきている。
野球やサッカーは体を動かすゲームであり、見た目で理解しやすいこともあり、観客はヤジを飛ばすことも多そうだ。
しかし、試合に出ているプレイヤーからすれば、「文句を言うなら自分でやってみろ」と言いたいのが本音だろう。
一方で将棋は以前は指し手の意味がわからないので、視聴者は指し手に文句を言うことはできなかった。
しかし、最近は将棋も見た目で判断しやすいスポーツの様に、棋士同士の対局を、評価値を見ながら上から目線で観戦するようになってきている気がする。
今まではボードゲームに人生をかけた天才たちの頂上決戦だったが、これからはそれを観戦する人たちの態度も変わってくるのかもしれない。
もう将棋の世界は「コンピューターのほうが強いことが当たり前」になってしまったのだから。