ブログを書くようになって、路上パフォーマーの見方が変わった。

町田駅に買い物に行った時に路上パフォーマーがいた。

最初はマスクをしながら無言でパフォーマンスしていたのだが、ある程度人が集まってきたら、

「だれも喋らないとは言っていませんよ」

とマスクを取り、喋りながらのパフォーマンスに変わった。

サーカス出身のダンサーと自己紹介していた。

終盤に差し掛かると、

「もしよろしければ気持ちをわかりやすい形に変えて帽子の中に入れてください」

とのことだった。もちろんそれが目的だろう。

しかし、今まで手拍子をしながら見ていた人達が金の話をした途端にパラパラっと姿を消す。

「タダなら暇潰しで見るけど有料なら帰ります」といったところだろう。

その後そのパフォーマーはこんな話をしていた。思い出しながら書いているので正確ではないが趣旨はあっていると思う。

「私達のようなダンサーやサーカスの人間は本当にお金がありません。

路上パフォーマンスをしないと生活が出来ないです。

10円や100円をくれてもぶっちゃけ生活の足しにはならない。

私は公立学校で体育のスポット的な先生をしているが、給料は1回いくらだと思いますか?

図書券1000円分です。税金で運営しているため現金はもらえないのです。

私は今、ちゃんとしたパフォーマンスを見せているつもりです。なので強制はもちろんしないが、そのことを理解してお金をお願いします。

お金が必要です。お金をください」

そんな感じの御涙頂戴な話が功を奏し、お札を入れている人もチラホラ見かけた。

実際私も千円入れてきた。が、札を入れたのは初めてだった。

今までは入れても100円、200円程度。金を払う前に帰ったこともあった。

でも自分ではなぜか分かっていた。

 

それは御涙頂戴に対してではない。

ブログを書くようになったからだ。

人を楽しませる仕事に金を払おうと思ったのだ。

ブログを書くようになってから赤の他人を楽しませるということがいかに難しいか前より分かった。

批判する人に「やれるならお前がやってみろ」という返しがあるが、

私はブログを書いてみて、

おもしろいブログ、漫画、パフォーマンス、youtubeなどなんでもいいが、知らない人を楽しませる作品を作っている人はすごいなと思うようになった。

私は普段は人を楽しませる仕事はしておらず、趣味で勝手にブログを書き始めているのだが、人を楽しませることを職業にした人に少し敬意を払ったのだ。