同一労働同一賃金の世界で私の時給は300円。

”Gengo”というオンライン翻訳サービスを知っているだろうか。実は私はそこのトランスレーター(翻訳者)だ。ほとんど翻訳をしていないので名乗っていいのかわからないが...(たぶんダメ)。

オンラインでテストを受けることができるのだが、合格してしまったのだ。StandardとProがあり私はStandardに合格した。

これで私も翻訳者だ!副業にしよう!やはり合格は嬉しく、やる気もみなぎっていた記憶がある。

ちなみに、Gengoのトランスレーター試験の合格率は約7%との記述があり、そんなに簡単に突破できるものでもなさそうだ。

gengo.com

 翻訳者としての活動

しかしすぐに暗雲が立ち込める。

「受注できる案件がありません」

掲示板に仕事が紹介されるのだが、全然ないのだ。それでもしばらく掲示板を見続ける。やはり仕事がない。

調べたら仕事があったらメールでお知らせしてくれるように設定できることがわかりひと安心。メールを待つ。

 

メールが来た!よし掲示板だ。

 

「受注できる案件がありません」

 

私がメールを受信してから、掲示板に行く間にすでに誰かが受注してしまったようだ。すぐ掲示板に行ったつもりなのだが...

このようにそもそも仕事を受注しようとしている翻訳者が多いので取り合いになる。カゴの中のバーゲン品を取り合うイメージだ。たまに誰にも受注されずに放置されている案件があるがそれは内容がメチャクチャで誰も翻訳できないような案件だ。

案件受注を目指し、しばらく掲示板に張り付いてようやく難易度の低そうな仕事をゲットする。

翻訳は結構大変だった。

「星占いの内容を英語から日本語にする」案件だ。報酬は3$(300円)くらい。

実際に翻訳をしてみたら結構大変だった。

翻訳した内容に間違いはないか、

誤字脱字はないか、

納期は守れているか、

などを確認していざ提出だ!

結果、1時間かけて300円を稼いだ。私の能力の低さに絶望した。

これがグローバリズムの洗礼か...。

仕事である以上、納期と品質を守る必要があり、覚悟がなかった私はそのプレッシャーから結局翻訳者としては挫折してしまった。

そもそも自分で翻訳するのが難しいから発注するわけである。なので内容の難しい案件が多い。私のような三流翻訳者では歯が立たない。

また案件には納期があり、それまでに仕上げなければならない。よって受注したらすぐ作業に取り掛かる必要がある。翻訳スキルが高く、早く終わらせることができるなら別だけど。

また英語を日本語に翻訳してほしい人は外国人がメインだろう。なので時差がキツイ。

この経験を通じて私は「日本人であることで非常に優遇されている」ことに気付く。同一労働同一賃金の世界では私が現在受け取っている給与は適正なのかどうかは疑わしい(もらいすぎ)。

Gengoでのトランスレーター体験でお金を獲得することはできなかったが、同一労働同一賃金経験」を獲得できた。

そしてそれはお金より価値のあるものなのかもしれない。