実力主義の将棋の世界と棋士の年齢

35歳を超えるとやる気がなくなる説をネットで読んだ。
 
 
そこで気になったのが、現在将棋のプロ棋士で強い(活躍している)人の年齢である。
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今は藤井聡太四段がすごい活躍をして注目をされているが、勝負の世界では中学生であろうと強い人は強いのだ。
 
現在勝率の高い棋士の年齢をざっと調べてみたら、だいたい23~30歳くらいの人だ。
 
現在将棋には八大タイトルがあり、以下はその詳細。
赤字は35歳以下
 
名人 佐藤天彦(29歳)挑戦者 稲葉陽(28歳)
 
叡王 佐藤天彦    挑戦者 千田翔太(23歳)
 
棋王 渡辺明(33歳) 挑戦者 千田翔太
 
竜王 渡辺明     挑戦者 丸山忠久(46歳)
 
王位 羽生善治(46歳)挑戦者 菅井竜也(25歳)
 
王座 羽生善治    挑戦者 糸谷哲郎(28歳)
 
棋聖 羽生善治    挑戦者 斎藤慎太郎(24歳)
 
王将 郷田真隆(46歳)挑戦者 久保利明(41歳)

 

挑戦者の年齢が若い。そして現在タイトルを持っている羽生善治渡辺明といった棋士は中学生の時にプロなった天才である。今で言う藤井聡太四段のような人だ。

 
特別な才能を持った天才棋士は40歳を超えても活躍しているが、そうでない人はあまり活躍を見ることがない。上記にでているタイトル保持者、挑戦者ともに40歳を超えている人は過去にタイトルを保持していた事がある人である。
 
日本将棋連盟のwebサイトで棋士の勝率を見ることができるのだが、40代くらいから勝率が下がっている印象だ。
 
日曜朝にNHK杯がテレビ放送されるのだが、50人の棋士の内、31人のプロ棋士と1人の女流棋士が予選免除されていて、残りの18席を他の棋士で争うルールになっている。出場するのが大変な棋戦である。
よってだいたい毎年同じような顔ぶれなのだが、予選突破して18席を確保するのは大抵若手で、中堅やベテランは少ない。予選を突破できないのだ。早指しなのも関係あるかもしれないけど。
ちなみに藤井聡太四段はプロ初年度からしっかり出場している。
 
やる気や情熱を持続させるのは大変だ。そして新しい戦法を覚えることも面倒になるのだろう。
 

また今はコンピューター将棋が佐藤天彦名人に勝ったこともあり、若手を中心にコンピューター将棋を研究に取り入れるようだが、中年以降の人たちがこれについていくのはかなり大変だろう。

しかしコンピューターのほうが強いことが明らかになってしまった以上、それを認めてむしろ自分に取り入れていく棋士が強くなると思う。佐藤天彦名人はコンピューターに負けた後、指し手が変わったらしい。今まで以上にコンピュータ将棋を取り入れているのだろう。それができるのは” やる気 ”があるからだが。

 
30代中盤に差し掛かると自分の実力も分かってくる。自分が特別な存在でないことも。そして情熱を失ってしまう可能性も高い。情熱を失うと新しいことをする気も無くなる可能性がある。
しかし勝ち負けで判断できる勝負の世界では情熱を失うと成績に現れる。
 
コンピューターは将棋の世界を変えてしまったが、私の仕事の世界もすぐに変えてしまうのだろう。そうなった時に私は適応するための情熱を持っているだろうか。
 
ちなみに「ひふみん」の愛称で呼ばれる天才棋士加藤一二三」さんは77歳になる今年、実力主義の将棋界のルールにより強制引退になった。2016年の成績は4勝21敗 勝率16%である。
しかし将棋は引退しても個性的なキャラクターで人気になっている。将棋で勝てないのなら他の分野で活躍するのはさすがだ。まだ情熱があるのだろう。